アンテスとカチーナ人形
現代ドイツの巨匠とホビ族の精霊たち
Horst Antes and Kachinas
Contemporary German Artist and the Spirit of the Hopi
残念ながら見逃したのですが、友人の持っていたカタログを見せて頂き大いに感銘を受けたので、葉山の美術館まで追いかけて、カタログを手に入れました。
うちわサボテンの実の精霊 |
カチーナ
北米先住民であるプエブロ・インデアンのなかでもとくにホピ族が信仰する、目に見えない精霊。約300種類存在すると言われる。人間と神との中間的存在であり、先祖の霊魂や自然全体の多様な事物や現象を体現する。
精霊達は、アリゾナ州フラッグスタッフ近郊のサンフランシスコ・ピークス連峰『ヌヴァツキャ・オヴィ』やホビ族の居住する地域の各所に存在する泉の下方に棲むと信じられている。カチーナ信仰は、考古学的には紀元後13世紀末にリトル・コロラド川流域に生まれ、そこからプエブロ・インディアン全体に広まったと推定されている。
部族の男達は、仮面と衣服をまとって、カチーナに扮装し、伝統的なダンスと歌を伴う儀式を、ほぼ1月から7月までの間の、カチーナが現れると信じられている、約半年間、季節の移り変わりに応じて執り行う。
カチーナ人形は、ホピ語で『ティトゥ』と呼ばれる。この言葉は『人形』と同時に『子供』
を意味する。コットンウッド[ハヒロハコヤナギ]の根の部分を原木とし、それを彫った本体に着彩をし、羽根、布、植物などで飾った。
これらのカチーナ人形は、カチーナのスピリット[霊]を体現するものであり、おもに通過儀礼以前の幼い少女に、まれに乳飲み子の男子、あるいは花嫁、老齢の婦人に分け与えられた。
アンテスとカチーナ人形 水沢 勉 編参照
アンテスとカチーナ人形 水沢 勉 編参照
このような素朴な精霊達は、アフリカや東洋、世界中にモチーフを変え存在します。そして、モジリアニ等の芸術家にインスピレーションを与える力を持っています。
権力の象徴として使われる精霊より、自然に生かされている弱い人達を守るために作られた思いやりと自然への感謝のカタチが表現された人形の方が心を打ちます。
しかしこの精霊達のイメージはどんな人が考えたのでしょうか、優れたアーティストである事には間違いないでしょう。
レスラーは[ココペリの娘]
青い顔の・・・・・[太陽]
お団子頭は・・・・[泥頭]
角の生えた[黒い人食い]
だそうです。どれも30センチ前後の作品ばかりです。